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上司や先輩に「おごってやるよ」といわれることがあります。負担をかけると嫌われるのではないかと思い固辞する人もいるようですが、それは正反対です。好意を無にすると、逆に嫌われることになることも。 この「おごってやるよ」の心理について考察してみましょう。
財力や社会的地位などの点で「自分が他の人よりも優れている」と考えることを「優越感情(いわゆる優越感)」といいます。この気持ちの裏には権力欲や支配欲、名誉欲などが隠れている場合が多いようです。 あたりまえのことですが、先輩や上司はあなたよりも社会的地位が高いと考えています。その気持ちの表れが「おごってやるよ」という言葉なのです。そして、これを断ると、相手の優越感情を傷つけることになります。 人には自分に報酬を与えてくれる相手には好意を持ち、損失を与える相手には不快感を持つという心理があります。これを「社会的交換理論」といいます。 報酬と好意、損失と不快感を交換するということです。相手の優越感情を傷つけると損失を与えていることになり、その結果、あなたの相手にとって不愉快な人物になってしまいます。
負担をかけては悪いと思って断ったにもかかわらず、嫌われてしまっては割に合いません。 「おごってやるよ」と言われたときには素直に、「ありがとうございます」といって、おごってもらうようにしましょう。そうすれば、相手の優越感情を満足させることができ、好感をもたれます。
ただし、同僚やライバルにおごられるのは考えものです。相手に下心がなかったしても、知らない間に相手に頭が上がらなくなってしまうからです。 相手が取引先の場合は、さらに注意が必要です。いつの間にか相手の言うことを断れなくなってしまい、仕事上のトラブルに巻き込まれる場合もあります。 そんなわけで、同僚やライバルと食事をするときには必ずワリカンにいるようにしましょう。さもないと、いざというときに相手を出し抜けなくなってしまいます。 ただし、取引先と食事をするときにワリカンにすると相手のメンツを潰すようになるので、注意してください。そのときには、とりあえず率直にご馳走になり、あとでお返しをすればいいでしょう。こうすれば、上下関係にならずにすみます。
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