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誰でもお分かりのように、相手を持ち上げながら遠ざけたいときには、自然と言葉遣いが親切すきだり丁寧すぎることがありませんか。 敬遠という言葉があるように、丁寧すぎて必要以上に敬語を使う人は、敬って遠ざけたいという本音や本性が潜んでいるのです。
一般的に、深い関係になればなるほど、言葉遣いに気を使わず、自然と率直な話し方になるでしょうし、同年代であれば、タメ口になったり、方言でしゃべることもあり、改まって敬語などは使わなくなるものです。 ですから、丁寧すぎる言葉遣いをする人は、最初から、親しい関係にはなろうとしていないと判断するといいでしょう。 また、いつでも誰にでも丁寧すぎる言葉遣いをしている人は、対人関係では相手が誰であっても、深い関係になることを恐れています。
職業柄、どうしても丁寧な言葉遣いをしなければならない職種があります。 たとえば、ホテルマンは、とくにそのような対応が求められる職業といえます。 ホテルにはいろいろな客がやってきますので、なかにはサービス業の弱みにつけ込んで、理不尽な要求をしてくる客もいるでしょう。 そんなときも、ホテルマンは顔色一つ変えず 「申し訳ございませんが、そのようなことは、当ホテルでは承っておりませんので、ご理解願えますでしょうか」 「たいへん失礼ではございますが、そのようなことは、ほかのお客様のご迷惑になりますので、ご遠慮いただきますよう、お願いしております」 という具合に、迷惑な客に対するほど、かえって態度は丁寧になるように見えます。 相手に対して敵意や憎しみがある場合、心理的に通常はそれを表に出さないように、かえって親切丁寧な態度をとるものです。
人の呼び方だって同じような原則が働いています。 あなたが彼女のことを「○○さん」と呼べば、それほど親しい関係ではありませんが、もし「○○ちゃん」と呼べるようであれば、かなり親しいか、遠慮のいらない関係だと推測できます。 ですから、親しくないか、あるいは敵意がある相手に対しては、心理的に自然と丁寧な呼び方にするか、あるいは、親切な言葉遣いをするようになるものです。 嫌いだからといって、表にあからさまに出してしまっては、日常生活が安定しなくなります。 あなたの会社でもそうでしょうが、上司と部下、あるいは同僚同士など、日常的に接することが多い間柄では、よく見られますが、身近な関係で避けられない相手ほど、敵意や憎しみを隠さなければならないからです。 もしも、いつもお茶を入れてくれる部下の女性が「自分に対して親切だな」と思ったら、それは好かれているのではなく、その反対かもしれないと疑ってみる必要があるでしょう。 |
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