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古くから謙遜が美徳とされてきた日本では、声高に自分の魅力をアピールする人よりも、自己卑下的な傾向が強い人が多く、またそういう人が好まれてきました。とはいうものの、自己卑下も自虐話も限度を超えると、うっとうしく感じられるものです。 ここでは、自虐話の裏側に秘められた心理について、探ってみましょう。
車内で、若い女の子のこんな会話を耳にしました。 「合コンで、女優の○○に似てるっていわれたんだ」 「えーっ、スゴイじゃん」 「うん。○○って、目が魚みたいに離れてるじゃん? そこが似てるだけで、べつにほめ言葉じゃないし、人前でワタシなんかほめるなんて、からかわれたとしか思えないし、つまんなくて、途中で帰ってきちゃった」
ここまでくると、卑下を超えて自虐の域ですが、こういう人の本性は、遠慮がちに見せながら、実はプライドが高く、強い自己顕示欲を秘めている可能性が高いのです。 まず、遠慮がちにふるまうのは、相手につけ入る隙を与えないための自己防衛のなせるわざです。「ワタシなんかほめるなんて」と謙遜することで、女優に似ているといわれたことを、聞き手の友だちに「自慢したいわけではない」と、牽制しているのです。 さらに、「目が離れているところが似ているだけ」で、「ほめ言葉ではない」し、「からかわれているとしか思えない」と自己卑下を繰り返し、友人に何も言わせないようにしています。 一方、心のそこではどう思っているのかといえば、「私だってカワイイんだし、私がつまらなさそうな顔をしてたら、もっと大事にしてくれてもいいじゃない」というわけです。一つひとつの言葉を分析してみると、謙遜のかけらもない、プライドの塊のような本性が見えてきます。 自分への自信のなさは、ウソではないにせよ、必要以上に卑下してみせる人には、あからさまにアピールできない自己顕示欲と、傷つきやすい繊細な一面が同居しているケースが目立っています。
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