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とても聞き入れてもらえそうにないお願いがあるときは、まず、簡単なお願いから始めることです。相手がそれを聞いてくれたら、次は本命のお願いということにするのです。 これを心理学では、「フット・イン・ザ・ドア」というテクニックといいます。
突き詰めてしまえば、仕事は「お願い」の連続です。商品を買ってください、取引をしてください、取材に応じてください・・などなど。そのお願いを上手に聞いてもらうワザが「フット・イン・ザ・ドア」というテクニックです。 これはドアを開けた瞬間にセールスマンが脚を挟みいれ、閉めさせないことに由来しています。 アメリカでは大変面倒な調査を依頼する場合、どのような方法でお願いすれば協力してくれるかという実験が行われたことがあるそうです。 お願いの方法は次の3パターンです。 @ 突然訪問して調査を依頼した。 A 「○時に調査に伺いますので、ご協力をお願いします」と事前に連絡をしてから依頼した。 B まず最初に簡単なアンケート調査に協力してもらい、その後に面倒な調査を依頼した。 結果は歴然としていました。Bの方法で依頼した場合、半数以上の人が協力してくれたのです。ちなみに、@とAはそれぞれ2割程度の協力しか得られませんでした。 人は無意識のうちに、同じ相手に対して自分の言動に一貫性を持たせようとします。つまり、一度「いいですよ」と言ってしまうと、二度目には「ダメ」とは言いづらいのです。
このように、相手に断られそうな難しいお願いをするときには、事前にOKしてくれそうな簡単なお願いをしておきます。そうすると、本命の難しいお願いも通る可能性が高くなります。
ただし、このテクニックを使うには注意が必要です。まず、事前の簡単なお願いは、本命のお願いと関連があるものにすること。まったく関連性のないお願いでは通用しにくくなります。 もうひとつは、何度も使える手ではないということ。一度や二度は先方も「しかたないな」と思うでしょうが、度重なると「また同じ手できたな」と悟られ、最初の簡単なお願いも断られてしまいます。 「フット・イン・ザ・ドア」はいざというときの奥の手と考えましょう。 |
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