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一人の魅力的な異性がテーブルに頬杖をついて物思いにふけっている様子を思い浮かべてみましょう。そして、この人物の心理状態がいかなるものか、どんなふうに思いめぐらせているのかを想像してみましょう。いったい、どんな答えを導き出せるでしょうか。 何か気に病むほどの悩みを抱えているのかもしれない。何か楽しいことを考えながら想像を膨らませているのかもしれない。心が引き裂かれるような悲しみに浸っているのかもしれないなどと、何かに気持ちを集中させているはずだと解釈する人が多いのではないでしょうか。
頬杖は、たしかに、気持ちを集中させているときに見られるポーズですが、それだけではありません。何かを考えているのではなく、ただ退屈しているだけというケースもあります。ちょうど、だだっ広い教室の中で魅力的でない教授が魅力のない講義を展開しているときの学生のように、時間が早く過ぎてくれればいいのにと思っているのかもしれないのです。 私たちは魅力的な異性に対しては評価が非常に甘くなり、自分の思い描く理想像に近づけて、都合のいい解釈をしてしまうクセがあります。魅力的な人が退屈などという、非生産的で面白みのない行為をするはずはないと思っているからです。
現実に自分の目の前にいる意中の異性が会話の最中に頬杖をついていたとしたら、そのポーズからは何を読み取れるでしょうか。 気持ちを集中させている証拠であると判断する人も多いでしょう。もちろん、そのように判断してもいいケースもあります。話を聞いている最中に自然と頬杖をつくのは、話の内容や話し手に対して興味が深まり、できるだけ集中したいという心理を表わします。いうまでもなく好意の意思表示です。
しかし、一方で、話している人にもその内容にもまったく興味をそそられず、できれば早く終わってくれればいいのに、という思いがかすめたときにも、やはり同じように頬杖をつきます。こちらは、無関心の意思表示です。 もっと極端な場合、実は自分は退屈しているのだということを示すために、意図的に頬杖をついてみせることもあります。まさに拒絶の意味です。 実際に会話を交わしている意中の異性が頬杖をついたとき、その行為だけで判断することはできません。ほかの部分の変化や、その場に流れる空気を冷静に読めば、正しく判断できるはずです。 しかし、自分にとって魅力的な異性を前にすると、気持ちが舞い上がってしまい、冷静になるどころか、自分の都合のいいように曲解してしまいがちです。 頬杖には、たしかに深い意味があります。そして、そこに込められた思いは、「好意」か「拒絶」か、まさに両極端です。 しかし、いずれにしても、相手の真意を測るためには非常にわかりやすいポーズです。これに注目しない手はありません。ただし、曇った目での身勝手な判断は、苦悩の元になります。
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