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仕事中にしても授業中にしても、ボンヤリ上の空になっている人は、周囲にあまりいい印象を与えません。叱責を受けることだってあるでしょう。 ですが、そんな一見いつも「ボーッとしているように見える人」ほど、意外に仕事ができたり、いいアイデアを出したりして驚かされることがよくあるものです。 ★ある心理学者によると、「ボーッとしているとき、脳は活発に働いている」という研究結果が発表しています。 人は、起きている時間の三分の一はボンヤリと空想にふけっているということです。睡眠時間が7時間だと、日中5〜6時間はボーッとしていることになります。 かつてはその間、脳は休んでいると考えられていましたが、実はそうではなかったようです。研究によると、 ★「複雑な事象の分析・考察を司る脳の部分が一斉に活発になるのは空想にふけっているときだけだった」といいます。 人間がボーッとしているときに、「あっ!」とひらめくことが多いのですが、それは頭文字にBがつく三つの場所だといわれています。 その三つとは、「BUS(バスや電車)」「BATH(お風呂)」「BED(寝床)」です。 そのどれもがボーッとリラックスできる場所だということです。実際、そういう場所で出たひらめきやアイデアのおかげで、素晴らしい業績を残した科学者や発明家が大勢います。 つまり、ボーッとしている時間は、ひらめきを生むチャンスの時間でもあるということです。 もちろん、ただボーッとしているだけで難しい問題が解決できるというわけではありません。 事前にきちんと準備をし、解決しようという前向きな姿勢があるからこそ、ある瞬間、「これだ!」というひらめきを生むことにつながるのだといいます。 難題を抱えている人は、意識的にボーッとしている時間を作ると、いいアイデアが降ってくるかもしれません。 ぜひ一度、試されてはどうでしょう。
「今度こそ、『断捨離』しよう!」 そう心に決めても、いざ部屋の片づけを始めてみると、なかなか捨てれないものです。 どれもこれも捨てるに捨てきれず、手にとっては思い出にひたってしまい、結局は時間切れという経験をした人も多いのではないでしょうか。 なぜ、断捨離は難しいのでしょう。それは「保有効果」という心理が働いているからだといわれています。 ★保有効果とは、自分の所有するものに価値を覚えて、手放すことを惜しく感じる心理をいいます。 人は得ることよりも失うことを恐ろしく感じるため、自分の所有するものを守ろうとしてしまうようです。 人間の持つ所有欲に関わっているせいか、この保有効果はすこぶる強く働きます。 「クーリング・オフ」という制度がありますが、これは特定の取引によって商品やサービスを購入した場合、頭を冷やして考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば、無条件で契約を解除できるという制度のことです。 企業側にとっては、不利に思える制度ですが、思ったほどの痛手はないようです。 というのも、一度購入(保有)した消費者は、あまりに高価格だとか欠損があるなど、よほどのことがない限り、クーリング・オフをするまでにはいたらないからです。 多少の不具合だったら「まあ、いっか」と大目に見てしまう人がいます。それだけ保有効果がしっかり働くということです。 このように、保有効果が断捨離を妨げているわけですが、その効果を減じるためには、何か決まりごとを作ったほうがいいかもしれません。 たとえば、収納するときに「1年物」「3年物」「5年物」と、ものに対する愛着度や必要度に応じて振り分けて、期限が来たものから容赦なく捨てていくのです。
会話をしているとき、人の名前が出てこない。その人の顔は思い浮かぶのに、という経験は誰しもお持ちでしょう。 なぜ、思い出せないのか。 焦りにも似た感情がわきあがってきて、「老化現象」「記憶力の低下」「認知症の初期段階」などと、悩んでしまう人も多いかもしれませんが、それほど心配する必要はありません。 ★記憶力は「覚える力」と「思い出す力」から成り立っているのですが、覚える力は年齢を重ねてもそれほど低下はしないようです。 問題は、思い出す力のほうです。こちらのほうは加齢による低下傾向が見られることです。ですが、顔やその人の周辺情報(出身地や趣味嗜好)はすぐに思い出すのに、肝心の名前が出てこないのはなぜでしょう。 ★それは、出身地や趣味などは「イメージしやすい」のに対し、名前は基本的に「イメージしにくい」ものだからです。 出身地や趣味などの記憶はなにかしらイメージが浮かびやすいものです。そのイメージが相手にまつわる記憶として関連付けられ、思い出しやすいのです。そうした記憶を「エピソード記憶」といいます。 一方、名前のような記憶は具体的なイメージが浮かびにくいので記憶としても留めにくく、思い出すのが難しいのです。そうした記憶を「意味記憶」といいます。 顔は浮かんでいるのに名前が出てこないのは、顔のような情報は「エピソード記憶」であるのに対し、名前は「意味記憶」のせいで記憶はしたはずなのに、脳の引き出しから引っ張り出せなくなっていると考えられます。 とすれば、名前を思い出すには、どうすればいいのかも解決策が見えてきます。 ★覚えるとき、名前をイメージしやすいものに変換すればいいのです。 たとえば、田中であれば、その人が「田んぼの真ん中に立っている」姿をイメージしながら覚える。斉藤であれば、お笑いタレントが「斉藤さんだぞ」と言っている姿と重ね合わせながら覚えるといった具合です。あなたもトライしてみましょう。
あなたは脱いだ靴下のニオイをつい嗅いでしまった経験はないですか。 「あ、そういえばつい・・・」と、思い当たる人は、意外と多いかもしれません。 というのも、靴下のナオイを嗅ぐのは、人間として自然な行為であるからです。 靴下に限らず、Tシャツやパンツなど自分のニオイがついたものを嗅ぐという行為は、動物が行う「マーキング」と同じだと考えられます。 人間も動物です。自分のニオイを確認するのは、人間として基本の行動といえるのです。この世に生きている自分という存在価値を、きっとニオイで確かめているのでしょう。 一般的に、動物には自己のアイデンティティを確認するために、自分の排泄物のニオイを嗅いだり見たりするという習性があります。動物たちは、それによって安心感を得たり、自分のなわばりを確認したりします。 その習性が、汗がしみついたシャツや靴下を嗅ぐというしぐさで、人間にも残っているというわけです。 そのほか、「鼻をかんだ後のティッシュペーパーを開いてみる行為」も同じような意味を持っているといわれています。そして、臭い靴下、汚い鼻をかんだ後のティッシュペーパーを見ることで、「汚いものが体の外に排出された」という安心感を得ているようです。 また、世の中には飼い犬や飼い猫の肉球を嗅ぐのがたまらないという人や、恋人の脇の下のニオイを嗅ぐのが好きという人もいます。いわゆる「匂いフェチ」といわれる人です。これも愛犬や恋人の存在を確かめるための行為といわれています。 ですから、「なんで、私にはこんな変な癖があるのだろう」と悩んでいる人がいるとしたら、安心されてください。 人間も動物だと考えれば、それほど変わった行動ではありません。なによりもあなたが想像している以上に、みんなやっていることです。
別に眠いわけでもないのに、周りにあくびをしている人がいると、ついあくびがうつってしまうことがあります。 ★うつったときは、ちょっと気恥ずかしい気分になりますが、実はあくびが伝染するのは「共感力」がある証拠です。 人間は共感を大切にする生き物です。人が笑えば、自分も笑う。人が泣けば自分も思わずもらい泣きをしてしまう。そうやって共感し共感してもらうことで、人間関係はスムーズになるものです。 あくびがうつるのも同じ原理ですから、別に恥ずかしがることではありません。しょっちゅうあくびがうつる人は、それだけ共感力が高く、人間関係をスムーズにできる人ですから自慢してもいいぐらいです。 外国のある大学調査によると、女性のほうがあくびがうつりやすいそうです。女の子がどんなものを見ても「かわいい〜っ」を連発できるのは、そんなありあまる共感力の賜物なのでしょう。 ただ共感力の高い人は注意も必要で、人にだまされる危険性があるからです。 心理学用語に「確証バイアス」というものがあります。 ★確証バイアスとは、なにかの選択をするときに自分の先入観に基づいた情報しか頭に入ってこなくなることをいいます。 自分の先入観で人を見て、相手から自分に都合のいい情報だけを集めて、それによって「やっぱりこの人って、私が思っていた通りの人」と結論づけてしまいやすいのです。 ですから、困っている人に共感したり同情したりすると、「私がこれだけ共感できるということは、この人はいい人に違いない」と愛を信じ込みやすくなります。 その相手が本当に困っている心優しい人ならいいのですが、困った顔はうわべだけで腹に一物がある人だった場合は、簡単にだまされてしまう危険性があります。 もしあなたが、あくびがうつりやすい人だとしたら、要注意です。
「男と女はまったく違う生き物だ」とは、よく言われていることです。実際に男性と女性は異なる世界を感じながら暮らしているのかもしれません。 というのも、色の見分け方に関しては、男女で微妙な違いがあるからです。 「男女で色の見え方がに違いがある」と、アメリカの心理学者が研究結果を発表しています。 その研究は、16歳以上の若い男女を対象に行われたようですが、色の識別と動体視力を中心とした調査の中で、個体差だけでは説明のつかない男女の見え方の違いが判明したということです。 ★それによりますと、女性は黄色、緑色、青色といった色の識別能力が男性に比べて高いことがわかったということです。 一方、男性は、オレンジ色を女性に比べて赤みがかった色に感じるといった特徴があったということです。そうした視覚の性差は、人類の進化の過程における男女の「役割分担」と密接につながっているということです。 この研究でわかったもうひとつの男女の性差の違い、それは動体視力の違いです。 人類がまだ狩猟生活をしていた頃、男性にとって動体視力は欠かせない能力で、食料を確保するためには、獲物の素早い動きに反応する視力が必要です。 ★つまり、男性は、色を識別する能力より、動くものを素早くキャッチする能力(動体視力)を優先して進化させてきたということです。 一方、子を産み育てるという役割分担の中で、女性は、子供の顔色の変化や排泄物の色の違いなどの、小さな変化を見極めるために、色を識別する能力を進化させていったのではないかといいます。 男性が、女性の化粧や見た目の変化にあまり興味を持たず、女性が動きの速いシューティングゲームなどにあまり興味を示さないのは、こうした理由があるのも一因でしょう。
男性はたとえ好きな女性とデートをしていても、通りすがりの美女を目で追ってしまうことがあります。しかも、その追い方が妙に露骨なので、一緒にいる女性が気分を害してしまうことがしばしばです。 なぜ、男性は美女を露骨に目で追ってしまうのでしょうか。 その理由は、どうやら男女の視野の違いにあるようです。 ★視野には「中心視野」と「周辺視野」の二種類があります。 中心視野は、対象を直視して詳細に見るときに使う目の領域であり、周辺視野とは、それ以外の曖昧に見ている範囲のことです。 男性は、中心視野が発達していて、狭い範囲であっても、遠くまで見るのが得意な目をしています。一方、女性の目は、中心視野だけでなく周辺視野も発達していて、特に近くのものを広い範囲で見るのが得意です。 なぜ、男女でそんな違いがあるのでしょう。 ★それは、狩猟生活をしていた時代から男は遠くにいる獲物を追跡するため、注意をそらさないようにもっぱら前方が見えるように進化したからだといわれています。女の視野が広くなったのは、忍びよる捕食動物から身を守るためです。 そのためにはいち早く敵を察知する必要があり、そこで周辺視野を発達させたのだといわれています。その違いから、男性は美女を見つけると、そのすぐれた中心視野を使って、こっそり見ようとします。 心理学用語に「確認行為」というのがありますが、男性にとって美しい女性は、本能的に確認したくなる対象なのです。 ですが、中心視野は見える範囲が狭いので、すれ違うときに目で追うだけでなく顔まで動いてしまいがちとなります。だから、彼女に気づかれてしまうのです。 その点、女性は見える範囲が広いので、たとえイケメンとすれ違ってもチラ見ですませることができます。ですから、恋人に気づかれる心配はありません。
「コレクター」と呼ばれる、特定のものを収集することを好む人がいます。その人たちの「ものを集めたがる」心理には、異なる傾向があるようです。 男性コレクターの収集欲求には、太古の昔から男は外に出て獲物を集めることが役割だったことが、影響していると思われます。 たくさんの獲物をもって帰ってこれる男は、女たちの憧れの的ですし、周囲からも尊敬されたり、褒められたりしたことでしょう。 人には周囲から認められたいという「承認欲求」があります。また、「自尊感情」といって自分が価値のある人間だと思いたいという願望もあります。ですから、獲物がたくさんとれる男はその両方が満たされるわけですから、ますます狩りに熱中したことでしょう。 そして、男性が持ってきた獲物を、食料として蓄えておくのは女の役目でした。それが女性にもコレクターがいる理由と考えられています。食料をためておくと当分は飢えずにすみますから、安心や満足感を覚えます。ですから、せっせと貯蓄にも励んだことでしょう。 つまり、女性はもっぱら「安心感」や「満足感」を覚えたいために、コレクションを増やす傾向があるということです。 このように、ものを収集したいという欲求は、男性でも女性でも持ち合わせているものですが、中にはその欲求が強すぎて、自分を制御できなくなった人もいます。 最初は軽い気持ちで集め始めたとしても、いつしか「もっと集めたい」「よりレアなものを手に入れなければ」というように、自分自身をどんどん追い詰めていって収集をやめられなくなってしまうのです。 そうした強迫観念の強い人は、自分の家をコレクションであふれさせ、生活に支障をきたすレベルにまでなってしまう人がいます。 強迫性障害という心の病にかかる場合もありますので、要注意が必要です。 |
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